うどん饂飩ウドン

 難読漢字とは逆に、読めるけれど書けない漢字ってありますよね。高校生の頃、そんな漢字をどれくらい書けるかを、遊びで競争したことがあります。ずいぶん昔のことですが、思い出したのは同窓会がきっかけ。教室の黒板に「鬱」とすらすら書いて、「すごい!」と言わしめた男子は、精神科医になっていました。
 記憶では、その時、私が板書したのは「饂飩」だったはず。クラスメイトの評価は「牛蒡」と互角、「鬱」には及ばず、といったところだったかな。

饂飩は温かい食べ物?

 久しぶりに「饂飩」を紙に書いてみようとしたら、これが、全くダメでした。「語源は中国の温かい食べ物(フートン)らしい」とミニ知識を思い出し、「温」の字と関連づけて推理してみたのですが......。年齢とともに加速する忘却力に邪魔されました。
 と、そんなことを昼食時に話していたら、「漢字だとピンと来ないなあ」と夫が言うではありませんか。その時、食べていたのは、健菜生うどんのぶっかけです。夏、わが家では、そうめんよりうどんの出番が多いのは、健菜生うどんがお気に入りだから。味の良さとツルツルとした喉ごし、もちもちした食感が相まって、「おいしいものを食べた」という満足感が得られるので、昼食に登場する頻度が高くなっています。
 夫は冷たいと「饂飩」という漢字が似合わないと感じるのかもしれません。私は、漢字をじっと見ていると、食べたことがない中華料理のような気がしてきます。さりとて、片仮名の「ウドン」では、おいしい食べ物というイメージがわきません。どちらにしても、平仮名の「うどん」が一番しっくりするように思えます。

広がるアレンジ

 最近は、うどんのアレンジメニューをあちらこちらで目にします。昔ながらの温かい「きつね」や「たぬき」もいいけれど、冷うどんの納豆がけやサラダトッピング、輪切りレモン&大根入りなど、料理本やネットをヒントに色々お試し中です。今のところお試しレシピに失敗はありません。どんなアレンジも可能なのは、饂飩、いえ、うどん自体がおいしいからですね。
(神尾あんず)


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