ブルーベリーコンポート

料理本の新発見

狭い家にモノが多すぎると反省。目下、断捨離を心がけていますが、なかなか進みません。先日は気合を入れて料理書の整理にとりかかりましたが、つい、あれこれとページをめくっているうちに時間が過ぎ、結局、大半を書棚に戻すことになりました。古い本ほど手放せません。

果物の風味を残して

 四十年前に出版された洋菓子の本もその一冊。レシピが本格的過ぎて、これまでは写真を眺めるだけでしたが、この日、「コンフィチュール(ジャム)」と「コンポート」の違いについて書かれているページに目が止まりました。
 そして、「健菜は、なぜブルーベリージャムではなく、コンポートなのか」という小さな疑問に、答えが見つかったように思えます。それは、果物の鮮度や風味を残したいからでしょう。ジャムは砂糖を加えて果物の形が崩れるほど煮詰めますが、コンポートはシロップの中で果物の形を残したまま煮ていきます。風味が高く甘さも控えめ。
 勝手な推測ですが、作り手がフランス料理のシェフであることも関係がありそうです。コンポートは、フランス料理の鴨肉やフォアグラなどの付け合わせで目にする基本料理。シェフが「ジャムではなく、コンポートなら作りましょう」と健菜のオーダーに応じたのかも、なんて想像しています。
 ともあれ、ブルーベリーコンポートはわが食卓に欠かかせません。ヨーグルトやアイスにかけたり、パンやマフィンにのせたり。最近はクリームチーズやカマンベールチーズと共にパンにのせたり、挟むことがマイブームです。ただし、パンを切ってから、ストック切れに気づくことがしばしば。瓶の封を開けると瞬く間に食べてしまうことが原因です。

四十年の変化

 さて、料理本に話を戻すと、桃やりんごを使った洋菓子は紹介されていますが、ブルーベリーは見当たりません。思い返すと四十年前は、フレッシュなブルーベリーを見ることはほとんどありませんでした。洋菓子のレシピがないのも当然です。もしかしたら、紹介されている洋菓子の製法もすでに古いのかもしれません。でも、一緒に歳をとってきた本は、手放せませんね。
(神尾あんず)

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