名人技のジレンマ

名人技のジレンマ

 品質の高い、おいしい野菜や果物を生産しようとすると、収穫量は減少してしまいます。しかし、収穫量が半減しても、価格を倍にすることは、ふつうはできません。農産物の価格は市況によって決まることがほとんどですから。
 しかも、昨年のウクライナ戦争やエネルギー価格の上昇によって、光熱費や資材費(肥料や農機、農薬など)が急騰。単位収穫量当たりに占める経費が大きい生産者ほど、その影響は深刻です。実際、生産者からは「続けていけない」と嘆く声が聞こえてきます。これを機に、離農する高齢者が増えることも危惧されています。
 それをとどめる方法の一つが、「生産者が自分で価格を決められること」ではないでしょうか。生産者が「これだけ良いものです」とアピールできるものをつくり、発信し、それを理解・納得した消費者のもとに届ける、その一助になることを健菜は願っています。

永田まこと (健菜倶楽部生産部 顧問)

全国の生産者を訪ね、父に代わって永田農法の指導もしている。

新着エントリー

  • 絶景農園育ち 最おくての蜜柑は初夏の味

    河内晩柑は、数ある晩生種の中でも最終ランナーだ。 蜜柑だが初夏の味。八代海を望む農園に生産者を訪ね...

    健菜通信:今月の特集 | 2024年05月
  • 健菜たまごのマヨネーズ

     テレビをつけたら、タレントさんが何かを食べながら「メチャメチャおいしい」と言っている場面。食べ物...

    健菜スタイル | 2024年05月
  • 「にがり」が要の玉ねぎ栽培

    昨年の3月、有明海に面した干拓地に玉ねぎ生産者を訪ねた。 おいしさの秘訣は「にがり」。でも、それだけ...

    健菜通信:今月の特集 | 2024年04月
  • 多品種栽培も視野に

     長崎の野菜農家には厳しい春になりました。暖冬で雨が多く、計画通りの生産ができなかった上、価格が暴落...

    土かぜ日記 | 2024年04月
ページの先頭へ