りんごの食べ頃

りんごの食べ頃

 りんごの収穫期は9月から12月なのに、1年中、店頭に並んでいます。不思議に思ったことはありませんか。これは、貯蔵技術の進歩がもたらした「食べ頃延長」マジックです。
 通年出回るりんごは「ふじ」がほとんど。もともと果肉が硬くて保存性が高い品種ですが、昔ながらの「土蔵」貯蔵では食べ頃はそれほど延長できません。今は、3月くらいまでは氷温(0〜1度)での冷蔵保存品、4月以降はCA冷蔵保存品が出回ります。CA冷蔵とは、外気を遮断した冷蔵庫内で酸素濃度を落として、りんごの呼吸を抑えることで休眠状態にする方法です。
 最近は、長期保存を可能にする1-MCPという薬剤も開発されました。りんごはエチレンという植物ホルモンを発散して、自分と周囲の果実の熟度を早めますが、この薬剤を施すと、エチレンが分解されて熟度の進行が抑えられるというものです。
 いつでもおいしいりんごが食べられるのは大歓迎。けれど、健菜は季節感重視。お届け品は冷蔵保存品に止めています。

永田まこと (健菜倶楽部生産部 顧問)

全国の生産者を訪ね、父に代わって永田農法の指導もしている。

新着エントリー

  • 絶景農園育ち 最おくての蜜柑は初夏の味

    河内晩柑は、数ある晩生種の中でも最終ランナーだ。 蜜柑だが初夏の味。八代海を望む農園に生産者を訪ね...

    健菜通信:今月の特集 | 2024年05月
  • 健菜たまごのマヨネーズ

     テレビをつけたら、タレントさんが何かを食べながら「メチャメチャおいしい」と言っている場面。食べ物...

    健菜スタイル | 2024年05月
  • 「にがり」が要の玉ねぎ栽培

    昨年の3月、有明海に面した干拓地に玉ねぎ生産者を訪ねた。 おいしさの秘訣は「にがり」。でも、それだけ...

    健菜通信:今月の特集 | 2024年04月
  • 多品種栽培も視野に

     長崎の野菜農家には厳しい春になりました。暖冬で雨が多く、計画通りの生産ができなかった上、価格が暴落...

    土かぜ日記 | 2024年04月
ページの先頭へ