健菜誕生物語/純米料理酒

※酒造米「五百万石」は、健菜米コシヒカリの生産地
新潟県吉川地区で栽培される。
健菜倶楽部が「純米料理酒」のご案内をしたのは、2004年の夏が最初である。
「はたして、この良さを分かっていただけるだろうか」と醸造責任者・山本秀一さんも、杜氏の富岡武二さんも不安があったという。なにしろ健菜の「純米料理酒」はふつうの純米清酒が及ばない逸品なのに、脇役に徹する酒である。
「だからこそ、この良さを理解して下さるのは健菜倶楽部のメンバーをおいてない」と信じていた、と山本さんは言う。その思いは健菜倶楽部も同じだった。
実際、発売を開始すると、お試しされた方の多くがリピーターとなって下さり、台所に常備されている家庭も増えた。健菜倶楽部では、一年に一回、1タンクのみの少量限定で、この酒の醸造を重ねている。
芳醇な隠し味を求めて

日本料理の職人は、日本酒をたくみに使う。魚の臭みをとったり、素材を柔らかくするだけではない。料理に深い旨みを加える調味料として使いこなしているのだ。
まっとうな料理人であれば、いわゆる「料理酒」は使わない。それも当然だ。これまで一般に料理酒として販売されているもののほとんどは、アルコールを加えた合成酒。食塩や化学調味料が添加されているものすらあるからだ。
では清酒、それも高級な清酒ならいいのだろうか。
もちろん、合成酒に比べれば格段にいい。しかし、飲んでおいしいお酒と、料理をおいしくするお酒は同じではない。とくに最近の「端麗辛口」の清酒は、雑味と甘味を嫌って、旨みの素となるアミノ酸を加えるように造られている。これでは料理酒には向かない。そこで、健菜倶楽部では、隠し味に徹する酒づくりを始めたのである。
端麗辛口とは逆に、旨味を最大限に出すと、醸造の目的ははっきりしていた。原料は、上越市吉川区で永田農法によって栽培した酒造米五百万石に限定。大吟醸などは精米歩合の低い(つまりは磨いた)ことを謳うが、理想の料理酒には、精米しすぎないほうがいい。それには安全な永田農法の健康な米が最適だった。
さて、その後の麹づくりも、発酵のさせ方も、発酵期間も、他の清酒づくりとは大きく違う。最後の搾りにしても、清酒とは異なり、旨みを逃さないための技がある。結局、手を抜かない。時間を惜しまないということに尽きました」と山本さん。
健菜料理酒は、酵母がゆっくりと働くのを焦らず待ってつくる酒なのだ。
昔から、全国の酒蔵で働く杜氏を輩出してきた吉川杜氏の伝統と、高い技によって健菜の「純米料理酒」は、仕込んだ最初の年から、理想とする濃酵甘口な酒に仕上がった。
味に深みが出る愉しみ
健菜料理酒の日本酒度はマイナス27度。日本酒度のプラス値が高いほど辛口、マイナス値は甘口の目安となる。つまりは驚くほどまろやかで甘口の酒なのだ。
一方、アミノ酸値は3.4度ある。天然の旨み成分がふつうの清酒の2~3倍近く含まれているのである。
だから、煮物や鍋物に加えると素材の旨さをぐっと引き出す。アルコール分を飛ばしてから、酢の物や和え物に加えてもいい。
下ごしらえの時に一振りして肉や魚の臭みを消して柔らかくするだけでなく、味を引き上げる。アルコールの浸透力のため、他の調味料もよく素材に浸み込み、減塩効果もある。ワインのようにクセがないので、料理の和洋も選ばない。未開封で冷暗所に置けば、味が熟成していく楽しみもある。良いこと尽くめだが、価格は安くはない。
「何杯も飲むわけじゃないからこそ、贅沢をしてもいいのでは・・・」と山本さん。
一度はお試しいただきたい健菜の自信作だ。

※仕込みをする、杜氏・富岡武二氏
- 特選商品
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