健菜誕生物語/青大豆藁造り納豆

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昔ながらの藁つとを開けると、ぷぅんと納豆独特の匂いが立ちのぼる。食べる度に、はじめてこの納豆が誕生した時の記憶が甦る。

今までこんなに香ばしい納豆にめぐりあったことがあっただろうか。まずその匂いに驚き、次にごろんとあふれ出てくる豆が超大粒であることに驚いた。かき混ぜると箸に確かな手ごたえがあって粘りも十分、糸の引きが強い。食べればしっかりとした歯ごたえが心地よく、豆そのものの旨さを味わえる。

それは開発当初から予想し、また期待していたことだったのに、市販の柔らかい納豆に慣らされていた舌には衝撃だった。健菜青大豆藁造り納豆はとにかく風味の深い納豆だった。

この青大豆を使いこなしたい

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※青大豆生産者:大越昇氏

健菜には自慢の青大豆がある。中でも秋田県男鹿市の大越昇さんは名人の中の名人、豆の専門家をうならせる高品質の大豆を提供し続けている。

大越さんの大豆畑は淡い緑色だ。過肥料により葉の色が濃い一般生産者の畑とは歴然の差だ。見るからに健やかだが、健菜青大豆の収穫量は、同じ面積の大豆畑の7割以下。量を犠牲にするのだから、最高の食味の瞬間を逃すわけにはいかない。

青大豆の収穫適期はほんの一瞬だ。「収穫が早すぎれば食味が乗らず、遅ければ緑が逃げる。雨でも降れば、色も食味も台無しになる」と大越さんは言う。その一瞬を見逃すまいと、大越さん一家は夜を徹して収穫に精を出すのだ。青大豆の最高の食味を逃さないために・・・。

この青大豆を生かすにはどうしたらいいか。当初から健菜倶楽部がメンバーに提供したかったのは納豆だった。昨今、最初から豆をカットして発酵させた「ひきわり」や小粒納豆が多いのは、豆の品質を選ばず、効率がいいからだ。そんな流れに乗らない気骨のある納豆製造者をわたしたちは探した。

味、信頼ともに最高の納豆に

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※登喜和食品:遊作誠氏

そうして探し当てたのが、東京の納豆製造会社「登喜和食品」の遊作誠社長だ。彼はわたしたちの依頼を簡単には引き受けず、健菜倶楽部の姿勢や野菜の質をじっくりと検討した。その上で「数量はわずかでも、ちゃんとしたものを末長く作るなら協力しましょう」という心強い言葉とともに、試作を始めたのだった。

その遊作さんが、健菜青大豆を前にして唸った。「これはすごい」と賞賛の声をあげたのだ。

納豆は清浄な地下水で豆をふやかし、煮豆にしてから納豆菌をまぶす。納豆菌は糸引きの強い菌を選んだ。これを昔ながらの方法で藁つとに包むことに決まり、当初は遊作さんのお母様が「昔とった杵柄」といいつつ、藁を束ねて一つ一つ手作りをした。

こうして出来上がった納豆は健やかそのものだ。

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大粒の納豆はごまかしがきかない。
豆の味がはっきりとわかる。

大越さんの青大豆でなくては、この味にはたどり着かなかっただろう。実は、藁に潜む枯草菌が納豆を更に熟成させて、冷蔵庫では1ヶ月以上腐らないという実験結果もある。

納豆好きには堪らないこの旨さは、製造に携わる人の正直さが作ったものだ。青大豆本来の味を誇れる納豆、底力のある納豆はこうして産まれた。

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